◉はじめに
以前こちらのブログで紹介した「鹹肉」を覚えているだろうか?冬場の保存食料として華中地域を中心に作られているものである。家でも美味しい上海菜飯を作るため、日本の郊外型ニュータウンにおいてその再現を試みた記事は以下の2つをご覧下さい。
今日急に自炊をしなければならなくなったので、今回も残りの鹹肉を使って何か作ってみようと思ったが、菜飯だと炊く時間がかかるし、なにより冷蔵庫にあんまり野菜が残っていなかった。
冷蔵庫に生卵、冷蔵庫に米、葱があったので、炒飯をやってみようという気持ちになった。味付けは…そうだ、以前どっかで読んだ老干媽炒飯にしよう。
◉老干媽(老干妈)とは?
貴州省の片田舎のおばちゃんが食堂で作ったラー油シリーズで、今では中国のどこでも買えて誰でも知っている定番調味料だ。200万瓶/日もの売り上げを誇るらしい(2015年末)*1。胡麻油、鶏油、ピーナッツ油などに、唐辛子は勿論、肉、花椒、豆豉などを漬け込んだ様々なバリエーションが存在する。調理以外にも、つけだれや、“食べるラー油”的な使い方が可能だ。今回は、炒めた玉葱の甘く香ばしい香りと、揚げた唐辛子と大豆のクリスピー感が特徴的な、写真の「老干媽 香辣脆油辣椒」を使っていく。
◉用料及食譜
・ご飯:3膳
・生卵:2個
・鹹肉:4切れ
・青葱:適当
・老干媽 香辣脆油辣椒:適当。だいたい大匙3杯くらい?
①冷凍していた鹹肉をゴリゴリ切っていく。
塩気と旨味が濃縮されているため、細切れにしてご飯に混ぜていくことをイメージして粉砕していく。4切れだけで、この炒飯全体の塩気は賄えるだろう。物足りなかったら完成後に塩胡椒をかければいいのだ。
②生卵をボウルに割って溶き、老干媽を入れて混ぜる。ここに、解凍した後に湯気を飛ばした米を投入し、全身血まみれの人が作った卵かけご飯みたいなのを作っていく。見栄えが悪いので写真はない*2。冷凍ご飯を使ったので、ご飯の塊が残らないようによくかき混ぜるようにした。
③老干媽の油をひいたフランパンで鹹肉、ネギに火を通したら、血まみれ卵ご飯を投入して強火で勢いよく炒めていく。
先ほどの工程でも言ったように、ダマが残ると残念な感じになるのでそこだけ気をつけていた。一口食べてみて、ややパンチに欠ける気がしたので““追い老干媽””をキメた。飯に更なる赤味がプラスされる。本当は肉と葱炒めたタイミングでにんにくペーストを足しておくと良かったのかもしれないが、ニオイが気になったので…いい感じにパラついてきたら完成。
◉実食及感想
赤茶色い具の少ない焼き飯だが、鹹肉の強い塩気と老干媽による玉ねぎ、胡麻、花椒の香りが無限に食欲を掻き立てる。ジャンキーな味で、塩気も十分ある。自分には「炭水化物摂りながらアルコールを摂るのは邪道」という謎の信条があるのだけど、このコメで炭酸のお酒を飲みたいと思ってしまった。
所要時間10分、雑に作れてモリモリ食えるジャンキーな炒飯。皆さんも如何でしょうか?
補:老干媽いろいろ
今回使ったのはこれ↑。辛味もさほど強くないので日本人にも向いていると思う。結構取り扱い店も多い。辛いの苦手な自分でもご飯にモリモリ掛けて食えます。
老干媽風味鶏油辣椒(フウミジユーラージオ・鶏肉入りラー油)中華料理・中華食材調味料・中国名産人気商品
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- メディア: 食品&飲料
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北京留学中の知人曰く、鶏油のやつ↑は食べるラー油的な使用に向いてるとか。
回鍋肉とかに使ったり、餃子のタレに入れるなら味噌っぽい風味のある豆豉入りのがオススメです。旨味が強い。これらは結構辛味が強かったです。
Amazonは勿論、お近くの中国物産店に行くといろんな種類が並んでいて楽しいですよ!ぜひ老干媽が食卓にある生活をお楽しみください!!
*1:有限会社老干媽(ローカンマ・ラオガンマー)日本 - 工場案内
*2:ここで味覇や鶏ガラ粉末とかの中華味を適量突っ込んでおくと味にパンチが出るぞ。鹹肉の塩加減にもよるけど、トータルで塩分過多にならないよう注意