はじめに
年初の週末に数日、香港に行ってきた。今回は完全に行楽目的で…天気は悪かったけど色んなスポットをまわることができた。
蓮香樓に案内する途中でたまたま通りかかった調味料の店(九龍醬園)。色んな調味料が並んでいて楽しい、が、全く使い方がわからないので色々話を伺ったりした。値段がラフな蘇州碼で書かれていて解読に非常に難儀する(店主が読むのに苦心している様子を面白がってくれて、途中からクイズ形式のやり取りになった)。
今日も今日とて…ワゴン周りの點心争奪戦、蝦餃の戦いにはあえなく敗北してしまった。今回の発見として、向かいの常連のお婆さんも注文していたデカい雲呑一個浮いてるスープがめちゃくちゃ美味かったです。 pic.twitter.com/YAMpIxUL9F
— のうやくん👲🏼💂🏻 (@Yamidoh) 2018年1月6日
なお、目的地だった蓮香樓はマジでオススメです。オールドスタイルのサービスにこだわる民国期以来の老舗。ビルの建て替え前に急いで香港に行くんだ!
九龍醬園では最終的に、持ち帰りやすい柱侯醬と海鮮醬を購入した。後者は哀しいミスにより空港で取り上げられてしまったが、柱侯醬は確保…。
柱侯醬は清朝期に広東省は佛山のコック梁柱侯が考案した、煮込み用の調味料で、大豆、小麦粉、ゴマ、葱、蒜などから作られたペーストだ。今回はこれを使って、こんな寒い日にぴったりな料理をやってみたいと思います!
それは「(柱侯)蘿蔔炆牛腩」。大根と牛バラの煮込みだ。上の写真は飯田橋の香港贊記茶餐廳で注文したもの。このように、茶餐廳などでは作り置きしてあって、注文から数分で提供されるファーストフードだったりする*1。ご飯と一緒に盛り付けると完全に一食が成立している。
「中華風シチュー」と言われることもあるが、このスパイシーで食欲を刺激する香りは「煮込み」と言った方が適切だ。尤も、「シチュー」も煮込む程度の意味合いではあるが。というわけで、やっていきます。
食譜
日本語のレシピとしては、大根を入れないものが李錦記のレシピ集に掲載されている。これに大根を入れる感じで、適当にやる。
ブロック牛肉にバラがなく、ローストビーフ用のモモ肉となった。脂肪分が少ないので、下茹でを経ると硬くなりそうで、不安である。一口大に切り、調味料全部入れの圧力鍋に投入し、15分ほど火にかける。
その後、いい塩梅まで水分を飛ばす。ブロック肉がそれなりにしてしまうことを除けば(この辺りは、豚バラブロックに変更してみてもいいのかもしれない)、作り方自体は結構簡単だ。茶餐廳感がある。
結果・考察
盛り付け工程まで終え、以上のような結果物を得た。ご飯と一緒に載せると「(柱侯)蘿蔔炆牛腩飯」という料理になる。トッピングのネギが切れたので豆苗で代用、見た目にあんまり良く無いな…。味はよい、というか醤の味が濃いので茶餐廳で食ったあの味に限りなく近い感じがする。大根はしっかり火が通っていて、味がしみている。さすが圧力鍋といったところだろうか。しかし、やはりこういう料理にはバラ肉が良いようだ。脂の甘さやトロ感がなく、やや寂しい仕上がりとなってしまった。
ともかく、作り方は覚えた。以降は瓶が空になるまで色んな肉で試しながらやっていきたい。
*1:香港の茶餐廳はここ数年で日本への出店が相次ぎ、首都圏を中心にいくつかの店でその味を楽しむことが出来る。これに関しては以下の同人誌に概説的な紹介を載せたので、ご笑覧頂ければ幸いです。