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「普及社區檢測計劃」を受けたこと

 

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そういえば先週試しに受けたのである。周りに誰も受けた人間がいないから……

はじめに

普及社區檢測計劃Universal Community Testing Programmeとは、香港で9月から始まった新型コロナウイルスの無料PCR検査プログラムだ。港府はこれで境内の陽性患者と感染経路を虱潰しにすることを狙っている。とはいえ……

b.hatena.ne.jp

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大体が、検査に関するパンプレットの丸々1頁使って個人情報取扱について強調しまくらないといけない時点で相当終わっているということが窺える。「中央全力支持 特區同心抗疫」と言っていた口で「所有檢測只會在香港進行,檢測樣本只會在香港境內」をアピールしなくてならないの相当厳しそう

検査までの流れ

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とりあえず、PCR検査ってどんな感じなのか知るためにセルフ人柱になることにした(あと、色々あって自分のidカードが機能していることを確認する目的もあった)。個人情報取扱に係る懸念はあるにはあるけど、自分は今後も境内外の出入りでPCR検査を受けて、その度にDNAを抜かれるのだろうと思うので……政府の特設ページから、idナンバー、電話番号、希望する場所と日時、SMSを中文/英文で受けるかを入力するだけで登録が終わる。香港政府のホームページは繁体中文/簡体中文/英文が完備されている。特設ページがあり、検査概要や実際の受診登録のUIも非常に分かりやすかった。
自分は12日土曜日に政府HPから予約したが、翌日曜日も昼の1コマしか満員になっていなかった。人気のなさが伺える。これで本当にコミュニティに潜むウイルスを炙り出すなどということが可能なのだろうか。

検査の流れ

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会場に来ると案外老人ばかりでもなかった。とはいえ若い人は全然おらんけど……一応入り口で体温測定をやっていて、列も間隔を開けて並ぶようにされているが、あまり徹底されていない感じだった。

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本会場は撮影禁止だった。idと電話番号を確認された後、係員の指示で体育館の中央にある待機場所——パイプ椅子が3-5mくらいの感覚で配置されている——へ誘導される。それを囲むように検査担当の医師のいる長机が配置されていて、係員の指示で空いた所で検査を受けるようになっている。

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医師には過去に喉や鼻の手術歴があるかどうかを尋ねられた。自分は無かったのでどちらでもサンプルを採取してもらう。id確認の時もだけど、基本的に広東語が出来ないと受診は難しい気がする(登録までは英文もあるので容易)。鼻の奥がツンとするのに耐えつつ出口に向かうと、アルコール消毒液をくれた。

結果

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結果は翌日SMSで届いた。説明では結果は2-3日後とのことだったので、早い。PCR検査のスピードってこんな感じなのか。尤も受診者が少ないからなのかもしれないが……結果は陰性とのこと。ただこれ以上の証明書の類は出してくれないみたいなので、正直受けるメリットがない気がする。受ける前も感じていたが、受けてみた上で、どういうモチベーションでの参加を期待しているのかがよくわからないというのが正直な処だ(香港に限らず、検査を受けたいと思う人って体調に不安があるか出入国前後のタイミング以外に存在するのだろうか。検査してからまたいつ罹るかも分からないわけだし)。以下個人的に感じた良かった点悪かった点:

良かった点……無料、受診登録がスムーズ、会場での動線もスムーズ、結果が早い
悪かった点……個人情報保護への信頼感、(陰性だった場合の)結果の使い道、上2点から来る受診者数の少なさ、それによる集団検査の効果自体への疑問。強制参加にすれば解決する所だが、それは今の港府には無理だしそもそも輿論の同意なくしてあってはならないと思う(だから、今回の自願式で只管に参加を呼びかける港府のやり方が一番穏当なのだろう)