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香港歷史博物館專題展覽・「工」不可沒 ── 香港工業傳奇を見に行ったこと

荔枝が1ポンド10ドルまで下がってきましたね。ライチを食いまくる季節です。

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尖東・紅磡の香港歴史博物館の企画展「「工」不可沒 ── 香港工業傳奇/Striving and Transforming – The History of Hong Kong Industry」を見に行った。戦前の軽工業の勃興から60-80年代の隆盛と、今に至るまでの香港の諸製造業の展開とその製品が展示されている。

香港工業總會(FHKI)の60周年にあわせて開催された本展示は、かつての繁栄は見られないものの(製造業従事者は2015年には10万人弱までに減少している)、香港製造(メイド・イン・ホンコン)の地位が未だ没落してはいないという工總の誇りと意地(功不可沒⋯功績が後にも埋もれないほど大きいものであること)を感じさせるものになっている。

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2020年6月17日至7月20日、及び7月22日至8月24日の期間中は入場時に香港製造の製品やブランド粗品を2つランダムに貰える。全く知らなかったので袋の持ち合わせがなく、片手に洗剤を持って観覧することになってしまった。

https://hk.history.museum/documents/54401/17101434/A_HK%2bIndustry%2bSouvenir%2bNotice_v1.pdfhttps://hk.history.museum/documents/54401/17101434/B_HK%2bIndustry%2bSouvenir%2bNotice.pdf

見た感じ来館者の好みによって当たり外れがありそうだ。個人的には7月22日からの金象牌香米のキーホルダーと刀嘜花生油のクリアファイルが、気になります……(保心安追風活絡油は普通に嬉しかった)

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展示は戦前・戦後・現在の三部に分かれている。入り口には工展會についての展示があった。工展會は中華廠商聯合會が年に一度開催する香港最大級の商品見本市。50年代から60年代にかけて、「香港人用香港貨」の標語を掲げて香港製品の宣伝を行った*1。これが「香港人」という枠組みを提示した意義について以前読んだ気がするが、ちゃんと覚えていない。また探さなければならないな……

怡和洋行や太古のような洋資の導入した造船や製糖業に対して多様な華資の軽工業が発達し、圧倒していく過程が、大量の広告、包装、商品によって説得力をもって展示されている。欲しくなるものも多かった(駱駝牌の魔法瓶は売店にあるよ!)。

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ただ工業化の進展やその産品を展示してるだけでなく、それを支えた工廠妹(女工)が公教育制度の未整備や男尊女卑の伝統的観念という背景を以て供給されていたことについても解説があり、彼女たちの労働環境や生活についても知ることができる。

80年代以降現在のブースでは、香港にあった工場の多くが内地へ移ったもののmade by Hong Kongであること、駱駝牌はじめいくつかのメーカーは香港に残り、製造を続けていることなどが紹介されていた。香港製造業、今後どんな感じになるのだろうか。内地と異なる香港の特色が今後も発揮できるのか、或いは貿易港としての香港の地位は維持されるのか、最近状況変化が凄すぎるが……
入場料10ドルでいいものが沢山見れるし香港製造品ももらえるし、22日以降にまた行こうかな、と思う。