亞的呼聲 Adiffusion

中華と酒と銭湯と

虚ろな心に火を灯せ、或いは男5人の『ゆるキャン△』

  • 買い出しと松田散策など
  • 火起こしと、晩飯
  • 燗銅壺
  • 燻製
  • 帰路、鶴巻温泉
  • まとめ
  • 追記:

 燃え尽き症候群という言葉がある。また、人の命は蠟燭の灯火に喩えられたりもする。我々人間は、日々何かを火に焚べながら己の生を全うせんとしている。

 去年の終わり頃、自分は非常に疲れていた。“燃え尽き”かけていたのかもしれない。何か漠然と、““活力””を注入しなければいけない気がした。そうだ、火を焚べよう。悲しみも暖炉で燃やすものだと吉田拓郎だか森進一だかも言っている。というわけで、同じように疲れている人間が集まって火を焚べることになった。

買い出しと松田散策など

別に寒空の下テント張ったりはしたくないので、床暖、灯油ヒーター、寝具付のクソヌルコテージを借りることになった*1。昼前に買い出しを行う。

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 山奥へのバスが出るのは小田急の新松田だったが、近傍の商店情報が何も分からなかった。インターネットは本当に使えない。そこで、隣のいかにも棒倒しが好きそうな名前の駅に行き、マックスバリュで買い出し。普段まともに自炊をしないオタク連中(含自分)は本当に買い物が下手。正直買い過ぎであった。

*1:余談だが、買い出し中魚屋のおっちゃんに寒さを心配されたので上述のヌルい環境を説明すると、「そんなんハイアットに泊まるのと変わんないじゃねえか」なるコメントを賜ったので、今回泊まったコテージは通称「ハイアット」となった。「ハイアット」、交通の便は良くないけど本当にオススメです

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鹹肉(咸肉, 中華風塩豚)を使う:老干媽炒飯(老干妈炒饭)

  • ◉はじめに
  • ◉老干媽(老干妈)とは?
  • ◉用料及食譜
  • ◉実食及感想
  •  補:老干媽いろいろ

◉はじめに

 以前こちらのブログで紹介した「鹹肉」を覚えているだろうか?冬場の保存食料として華中地域を中心に作られているものである。家でも美味しい上海菜飯を作るため、日本の郊外型ニュータウンにおいてその再現を試みた記事は以下の2つをご覧下さい。

mounungyeuk.hatenadiary.jp

mounungyeuk.hatenadiary.jp

今日急に自炊をしなければならなくなったので、今回も残りの鹹肉を使って何か作ってみようと思ったが、菜飯だと炊く時間がかかるし、なにより冷蔵庫にあんまり野菜が残っていなかった。
 冷蔵庫に生卵、冷蔵庫に米、葱があったので、炒飯をやってみようという気持ちになった。味付けは…そうだ、以前どっかで読んだ老干媽炒飯にしよう。

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香港土産の柱侯醤で「蘿蔔炆牛腩(牛バラと大根の煮込み)」をやってみる

  • はじめに
  • 食譜
  • 結果・考察

はじめに

 年初の週末に数日、香港に行ってきた。今回は完全に行楽目的で…天気は悪かったけど色んなスポットをまわることができた。

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 蓮香樓に案内する途中でたまたま通りかかった調味料の店(九龍醬園)。色んな調味料が並んでいて楽しい、が、全く使い方がわからないので色々話を伺ったりした。値段がラフな蘇州碼で書かれていて解読に非常に難儀する(店主が読むのに苦心している様子を面白がってくれて、途中からクイズ形式のやり取りになった)。

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絶対にやって来ない“鴨脖子”ブームを応援する

はじめに

www.google.co.jp

 例えばこのようなニュースが続々流れたように、2017年は年末にかけて「蘭州拉麺」出店ブームが再発見された。澄んだ牛骨スープに手延べの麺は、職人が日本に流入し続ける限り、これからも全国各地に増えていくことだろう。

https://www.instagram.com/p/Bcm-FBXhTpD/

「ザムザムの泉」(西川口)の肉蛋雙飛。非常に美味しい

 その一方で、ここ数年にもう一つのブーム(?)が底流していることはあまり注目されていない。それは「鴨脖子」だ。
 もとは清朝期の常徳に始まり、湖南から四川・湖北へと広まった料理であるらしい*1。鴨脖とはダックの首のことであるが、首をはじめさまざまな部位に味付けして販売しているのが普通だ。これらをタレで煮て漬け込んだ後(この工程を「滷」という)、乾かしたりの工程を経て、肉の表面は紅色〜茶色に、艶やかに色付く。味付けも様々あるが、湖南や四川という地名から分かるような激辛の麻辣味や、鹵水、可樂など様々な味付けが存在する。
 この鴨脖専門店、自分が思うにニューカマーによる新興のチャイナタウンがある程度の規模に育った際に登場する、ある種の指標として見ることができるのではなかろうか。現に池袋、西川口、亀戸などのチャイナタウンでは、一昨年〜去年に掛けて多くの鴨脖専門店が開店している。

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韓国の“シュポ”で飲む、日本で②:Lee mart@福富町, 横浜

 日本で韓国版角打ち・シュポ飲み(食料品店で飲酒することです)ができる場所、まだまだあった!多分全国津々浦々のコリアンタウンには沢山埋もれているのだろうと思う。
 そもそもシュポって?という方は以前のこの記事と、冒頭のリンク先などをご参考ください。前回も書いたけど、だいたいが自分自身韓国経験は未成年の時の1回(ソウル)だけなので、自分も本当のシュポとは、本当のシュポ飲みとは、が全くわかっていない。全て雰囲気でやっているし、この記事も雰囲気でやっていきます。

mounungyeuk.hatenadiary.jp

③Lee mart(福富町, 横浜市中区)※コロナ禍以降、飲食スペース閉鎖中

 横浜の外国人街(?)といえば、圧倒的に山下の中華街が有名であるが、あそこはやはり老華僑(オールドカマー)の街。ニューカマーの華人や、朝鮮の人々は阪東橋であったり、ここ福富町あたりに店を構えていることが多いようだ。

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 ここ福富町は関内と野毛の間に位置していて、クラブやスナックビル、ソープランドなどが軒を連ねる、妖しげな雰囲気の街だ。ソープランドなどの施設は建物の更新が出来ないといった縛りもあるのだろうか、全体的に戦後〜昭和で時が止まったような古ぼけた建物に、艶やかなネオンや看板が光り輝く。

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鹹肉(咸肉, 中華風塩豚)を作る【後編】+上海菜飯ふたたび/ 自製鹹肉(後篇)

(今回の記事は前編からの続きです)

  • 重石をかけ、ドリップの排出を促す
  • 乾燥させるていで放置(食べるのが怖いので)
  • 上海菜飯ふたたび

前編では2日目にドリップを捨てるところまでやった。

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ドリップはほぼ落ちなくなったものの、なんとなく内部の水気が心配になったので、いくつかのレシピに記載のあった重石を試してみることにした。クッキングペーペーを挟んで、大昔の学部便覧とビールで肉をいじめる。

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鹹肉(咸肉, 中華風塩豚)を作る【前編】/ 自製鹹肉

 前回の記事では「上海菜飯」とその大まかな作り方を紹介した。自分で作ってみた際の反省点として、肉から出てくる旨みや塩気が物足りなく感じられたことがあった。当然のことながら、やはり本場の食材を用いた方が満足度の高い味が実現できるだろう。

上海菜飯に関しては、以下の記事を参照:
mounungyeuk.hatenadiary.jp

 そこで、金華ハムを日本で買う際の価格を調べてみたところ300g3000円とかしていて、暇に任せて戯れに用うるにはあまりにも高級な感触である。台湾香腸であれば200g600円くらいで購入できそうだが……

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そうここは中華食材が手軽に入手できないディストピア。というわけで、節約も兼ねて菜飯に入っているあの肉、中華風パンチェッタを自作してみることにした。以下に試作用レシピをまとめるので参考にしていただければ幸いです。それと、使用した中華調味料は中国物産店*1のほかAmazonでも手軽に買え、他の料理にも使えるものばかりなので、是非買っていただきたい。本当に便利…

*1:あなたの街に中国物産店はあるだろうか。よかったらこのリストで確認してみてくださいね

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