逃犯條例の修訂をめぐって、9日のデモから12日の警察との衝突によって、香港は5年ぶりに世界の耳目を集めている。
自分は現状香港に長く居るわけでもないし、香港の現代政治について殊更関心がある訳でもない、一介の局外者に過ぎない。12日当日も自分は広州でものを食べたり城中村を見に行ったりしていて、(リアルタイムの報道は見ていたものの)衝突の現場にいた訳ではない*1。
中国大都市には「城中村」と呼ばれる、都市の拡大により都市区域に取り囲まれた村落が存在する。石牌村は広州最大規模の城中村で、新市街の巨大なビルに囲まれた低層かつ高密度の住居群は異様な印象を受ける。外省からの移民が多く、その家賃が村民の収入源になっている。内部には外省の料理店が目立つ pic.twitter.com/xHLPKvoka6
— のうやくん👲🏼💂🏻 (@Yamidoh) 2019年6月12日
香港についても、自分はあくまで部外者として、過度に思い入れないように努めてきたつもりだ。でも、香港の人達の自治・自由・民主を求めるたたかいは尊いものだと思うし、支持し連帯すべきだと思ってはいる。700万人規模の巨大な“母校”を見ている気になる(このように思う時点で既に思い入れてるのだろう)。だから気を付けないと冷静に物を見られなくなりそうで、怖い。
この数日、重度の低頭族である自分は報道やTwitterをずっと眺めていたのだけど、「香港には興味がない」と言いながらも敢えて大陸支持を明言して運動を嘲笑する人、反中というだけで加油加油と叫ぶネトウヨにはウンザリさせられた。一方で運動を支持する香港の人達も、話を盛ったり出所不明の情報に飛び付いていたりして*2、これも……人は見たいものしか見えないということだろうと思うし、自分は多分深層心理の何処かでそういう人を見てウンザリしたいのだろうと思う。
当事者たる香港の人達がカッとなって話を盛ったり謠言に飛び付いたりするのは仕方がないと思うけど(なんでも起こり得る状況なので)、我々は応援こそすれ冷静に情報を集め、動静を見守ることが必要ではないか。そしてそれが一番香港への支援になるのでは…と思う。
「悲壮なたたかい」なる感動ポルノや安易な反中ポルノに仕立ててシコったり「葬式鉄」をやるのをやめろ。そういう人ほど香港が「終わった」ら他のオカズに飛んでいって、香港の事などすっかり忘れてしまうだろう。でも、この条例がどうなろうと香港もあり香港人もいて、かれらの生活やたたかいは続くのだ。