亞的呼聲 Adiffusion

中華と酒と銭湯と

台湾の冰果室のこと

先日から在華坊さんのエントリが非常に盛り上がっていて、自分も感じ入る所が多く、興味のある話題なのでウォッチしております…

zaikabou.hatenablog.com

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思えば「何故中国に人が行かないのか」という問題は長年クラスタを苦しめる難問と化している(中国旅行好きな人しか居ないので苦手な人の気持ちが分からないから)感じですが、自分の考えでは言葉が分からない状態で行くと交通工具が不便でストレスフルなの(毎度毎度の安全检查、售票处の行列、タクシーも滴滴の隆盛で余所者は一層不便に)がデカいと思う。先日台湾行って大陸経由で香港戻って来たのだけど、毎度のことながら大陸は全てにおいて移動がままならないので台湾と同じつもりで回ろうとすると時間配分が崩壊し、大変しんどかった。というか台湾がヌル過ぎ、最高なんだなあ*1

でも、ストレスフルな移動にしろインターネットの問題にしろ、在華坊さんが仰られているように一回は現地に行ってみないと感じられない不便さだよなぁ、とも思う*2。多分外国人観光客も「成田って東京からメチャクチャ遠いやんけ」とか来てから思ってますよね、きっと……結局はイメージ、これに尽きると思います(だからここで「突然拘束されるかもしれないリスク」とか「大気汚染が深刻だから」などを挙げる人の方が余程「説得力」がある)。行かない人がそこまで考えて敬遠してる訳ないのでは、と…

マイナスなイメージが既にある状況下では中々旅行系の情報も紹介され辛いし、そうすると「中国では~~を見て、~~を食べて、~~を買って、~~に泊まって」みたいな「中国旅行」の定番みたいなパッケージが中々出来ていかないから(ここには移動の不便さもかなり影響を与えてると思う)、「よく分からんけどこことこことこことか抑えれば楽しめそうだ、行ってみよ」とならないのではないか。まあ、中国メチャ広なのでこうしたパッケージ化が相当難しい国だとは思う…

あと、これは経験も混ざった印象だけど、大陸って香港台湾に比べると「コミュニケーションを躊躇うと只管ババを引くことになりやすい」気がするんですよね。で、そこにエネルギー使わないといけない。それが好きな人には堪らないけど、苦手な人はとことん苦手な旅行先ですね、大陸…

ところで話は変わるが、大陸と台湾の違いのもう一つが刨冰、つまりかき氷の有無だろう(いや、大陸にももう沢山台湾式スイーツ店あるけどさ)。華人(特に女性)は冷たい食べ物は身体を冷やすという理由で極度に嫌う人が相当居るけど、台湾はこれを売る店が沢山ある。中華圏の中でここまで吃冰するのは多分台湾人だけだろう。何故みんな大陸に行かずに台湾に行くのか。それはこの刨冰があるからですね。みんな八寶冰食いたいし、紅茶冰で喉潤したいもんな。刨冰はヤバい。なぜこれが日本や香港にないのか。本当に悲しくなる。

というわけで、今切実にアパートの一階に出来て欲しい冰果室を一挙に紹介したい。はよ来いマジで。

①沙漠樂冰果室(台中)

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豆なりゼリーなりドライフルーツなりが並んでおり、非常に唆られる。いくつかを選んだ後、上からかき氷を掛けてくれる。

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自分は情人果(青いマンゴーを甘く漬け込んだもの)、楊桃(スターフルーツ)、甘草、粉粿(台湾のはなんか黄色いブルブル)、紅豆を選んだ。情人果は甘酸っぱくて、名前に違わない感じだ。豆系の甘さが好きな人とフルーツ系の甘酸っぱい味が好きな人の二系統が存在すると思うけど、自分はどちらもいい感じに共存してるのが好きですね(豆単体はちょっと苦手)。ここは紅茶冰10ドルも古早味でおいしかったです(何が古早味なのか、まだよく分からないけど)。

②葉大粒粉圓(新竹)

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タピオカミルクティー?知らない子ですね……正直個人的には珍珠奶茶はそこまで好きではないのですが、ここの大粒のタピオカはかなり好きでした。

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綜合粉圓は、紅豆、綠豆、鳳梨(パイナップル)が全部のせになったもので、シロップの爽やかさ、鳳梨の甘酸っぱさが豆の甘さに負けていない。このバランスが病みつきになる。

③江水號(台南)

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西門市場にある戦前期からのお店だ。西門市場、現在戦前の遺構を中心に修復中だが、戦後に反物屋が立ち並んだ区画は元町高架下のような感じで非常にいい雰囲気だ。また来たい。

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今まで上野で食べたくらいで、愛玉子経験が年齢に伴っていないのだが、この愛玉冰はかなりさっぱりしていて美味しい。ああ、夏に毎日食いたいなこれ…

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翌日に食った八寶冰も最高だった。先ほども書いたように、自分は餡子とか豆系の甘さがあんまり得意ではなかったのだけど、広東で糖水を食い、台湾で刨冰食べていたら段々と豆系の甘さも楽しめるようになってきた。こちらの甘味はそれほど甘さがしつこくないのがいいですね。

番外:阿斗伯冷凍芋(台中)

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これは刨冰じゃないから番外で。それほど繁華ではない街区の薄暗い路地に屋台を出して営業しているが、騎樓の下は満員だ。人気店なのだろう。「冷凍芋」という見慣れない品名に惹きつけられ、まるで街灯や自販機に集まる蛾のように吸い寄せられてしまった。

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冷凍芋は、芋頭(サトイモ)を使った糖水で、甘く煮た芋頭を甘いスープと一緒に食べる甜品だった。よく冷やされており、場所によってはこれにかき氷を掛けたりするらしい。「冷凍」とされる所以だ。台灣から廣東にかけて、このサトイモをペースト状にした芋泥という甜品があるが、今まで甘い芋スイーツは大学芋と正月の栗金団くらいしか食べていないので、かなり新鮮だった。優しい甘さでかなり好みだったが、芋らしくかなり腹にたまり、烤土司は試すことができなかった。茶餐廳の多士と台湾の吐司、比べてみたかった…笑

*1:もっとも、台湾は都市部も地下鉄網が全く無いので結局バスを使いこなせないとそこそこしんどくない?とは思う。台中は市内のバスに悠遊卡で乗ると10km以内なら無料。すごい

*2:大体そこまで熱心に海外旅行行かない人は、通信は現地のwi-fiのみとか、現地でsim買うとかじゃなくて、日本でwi-fiルーターレンタルしたり、日本のキャリアの国際ローミング使うのが普通では