亞的呼聲 Adiffusion

中華と酒と銭湯と

加山雄三と『蝿の王』: 三番瀬で豚を丸焼いたこと

未来の大戦中、ひょんなことから疎開地へ向かう飛行機が墜落し、若大将(演: 加山雄三)は南太平洋の無人島に置き去りにされてしまう。最初こそ協力し合っていた若大将たちであったが、青大将(演: 田中邦衛)は食べ物などにも不自由しない島で自由に生きることを望んで、独自に狩猟隊を結成する…

今週のお題は「お花見」 らしい。

ということで、というわけでは全く無いが、先日桜がいい感じだった時に桜の一本もない埋立地に行き、悪魔崇拝的な儀式に参加してきた話をする。標題からして桜感は皆無だろう。

豚や機材の搬入、及びその他の飲食物の買い出しを行うため、自分は主催者の暴力ちゃんTwitter: @okumuratorucc)から人足として徴用され、前日は飯場で他の作業員とともに食事をした。
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 飯場に火鍋底料があるというので火鍋をやることになった。新大久保の中華スーパーやまいばすけっとで食材を用意して(この羊肉は日光総本店で買ったが華僑服務社と比べてかなり割高だった、以降このような失敗の無いようにしたい)、いい感じに火鍋を楽しんでいたのだけれど、
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不注意なオタクばかりなのでこんなことになってしまった。オタクと居ると健常界では有り得ない超常現象が起こります。ともあれ、鉄分は摂れたし火鍋はとても美味しかった。家庭でする火鍋、本当におすすめですよ。

 今回使用したのはこれ ↓ 。清油なので植物由来の液状の辣油の大袋と粉末スープ、唐辛子、豆豉、八角などのスパイスの小袋が入っており、凄い盛り上がります。

この他、より濃厚で赤みの強い牛油ベースの火鍋の素もあり、こちらは常温では固形になっている。メーカーによって固形の唐辛子や花椒の有無が異なるので、適宜追加しよう。こちらもオススメです。

 今回わざわざ中華スーパーで買い出しをしていたのにはもう一つ理由があり、以前購入していた叉燒醬を使ってみたいので肉塊を買おう、という狙いがあった。

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というわけで、皮付きの豚バラを購入。500g弱で900円とかだった記憶。レンジで雑に解凍した後、肉が漬けるジプロックに入りきらないと気づいたので、二つにぶった切って醤を塗りたくり、冷蔵庫へ。焼くまでに漬かってくれると嬉しい。

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 飯場では布団が圧倒的に欠乏しているので、新入りは何かで代替しなければならない。自分が充てがわれたのはジャンプ部屋だったので、少年時代の夢を叶えるかのようにして、ジャンプを敷き詰めて敷布団とした。
 しかしながら、飯場は隙間風が酷く、深夜に一度起きてしまった。友情、努力、勝利では寒さはしのげない。何か使えるものがないか漁ったところ、追加の布と段ボールを発見した。路上人(みちうえひと)の顰に倣って段ボールをジャンプの上に敷き詰め、毛布の上にも重ねたところ、これが物凄く暖かかった。断熱効果、半端ないですね…

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 翌朝。早朝から一路千葉の埋立地へ向かう。駅前で酒や食料を適当に買い足して会場へ。一番乗りで、起こしや諸々の設営を開始した。この時点ですでに加山雄三『お嫁においで』がエンドレスでリピートされていた。若さだ、恋だ、太陽だ!と言った感じだけれど、この時点では太陽と20後半に差し掛かったオタクしかいない。
 そうそう、豚を吊るすための機材は、

と、豚絡みの準備に定評のあるオタクが試行錯誤してくれていたので、これを組んでいく。冷蔵庫で数日解凍した豚ちゃんであるが、結構エグい感じだった。安らかな寝顔ではあるものの、雰囲気や触感の「ご遺体」感が半端ない。ビニール袋に入れて緑地の隅っこに置いておけば立派に嬰児遺棄といった趣になる。

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体内に凍りついた血溜まりやドリップを拭い取りつつ、塩、胡椒、花椒、十三香などスパイスの類をガッツリ擦り込んだ。今回は何も分かっていなかったが、サイズ的にも廣東の燒乳豬式で味付けや焼き方を工夫してみても良かったように思われる。火が安定してきたので針金で固定した豚を処刑台に吊るす。当初火力が強過ぎて背中が思っ切り焦げたんですけど、弱火の距離感や火力を維持するのって難しいですね。 

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 自分が持ち込んだものとしては、クソ暑くなって役割を失った感じのする燗銅壺と、NZ土産の白ワイン。この青臭い白ワインは他の参加者の方が持ち寄られた前菜によってモリモリ消費されたけれど、燗銅壺の方も月桂冠上撰なるゴキゲンな一升瓶を買い、ちろりも用意してもらった以上はガッツリ活用していかなければならない。中盤からは無闇に燗酒を勧めるアルハラおばけみたいになってしまった。
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 一夜漬けの叉焼であるが、結構いい感じに漬かって呉れた。まあ、もうちょっと漬けれたほうがよかったとは思うが…しっかり味も良くて嬉しい。李錦記様様ですね。多分、これに蜂蜜や酒を加えて漬けたりしてみてもいいだろう。この他、皮付きブロック肉と炭火というのも上手く言った要因と思う。

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 その後、牛蛙、空豆、鯛、諸ベーコンを焼いて酒を飲み、水煙草などを頂いていたので、数名の服務員が豚の丸焼きの火加減や向きの調整、解体に悪戦苦闘していたことは完全に忘れていた。というか、最後は豚を食わないといけないことを全く意識していなかったので胃袋はすでに7割方埋まっていたわけである。

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ドンッ!!!!これが背中が焼けてきたので処刑台から降ろされ、腹側を焼かれている豚さんの様子である。当初の安らかな寝顔は失われ、熱で引き攣った瞼の奥に、濁った眼球を覗かせている。

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解体されていく豚。パリパリの背中の皮は美味しく、やはり広東式の正しさを感じた。次に試みる機会があれば必ず広東式で調理したい。  

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 それにしても、全体的に次第に「生き物」から「肉」に変貌していく中で、頭部は最後まで自らがかつて生き物であったことを頑なに主張し続けていた。無人島に漂着した少年たちが豚の頭部を崇拝し始めるのも分かる。
 この頭部だが、頬肉、鼻、耳を食べられた後で、尚も中の脳味噌も美味しく食べようとした結果上のように真っ二つにされてしまった。正直「蝿の王」よりグロい、「成れ果て」といった感じである。

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正直、この段階になるとあまりちゃんと記憶に残っていない、というか、記憶はあるのだけど全然能動的に食べ物を摂りに行っていないのだ。満腹だし。この超うまそうなウニ醤油の焼きおにぎりも、タレをいただいた記憶はあるのだけど、いつの間にか焼き終わっていた。正体を失ったオタクが『お嫁においで』に合わせて合唱したり、踊り狂っていた。
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そうこうしているうちに曖昧に片付けが始まり、ストリッパーにおひねり挟むようにして会計が終わり、流れ解散で恙無く終了した。この辺までずっと『お嫁においで』が流れていた。楽しかったです。

お嫁においで

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